相模原市役所様

山崎氏
総務局 渉外部
広聴広報課 広聴班
主査
 山崎 努

小野里氏
総務局 渉外部
広聴広報課 広聴班
主任
 小野里 潤一

応対履歴をきちんと管理、活用することで市民満足度のさらなる向上をめざします

 「人や企業に選ばれる都市づくり」を都市経営の基本理念に、顧客(市民)中心主義の都市経営理念を実現すべく、相模原市が運営する自治体コールセンター「ちょっとおしえてコール相模原」。 年間約10万件にもおよぶ同市コールセンターに寄せられる問い合わせの履歴を分析し、WebサイトやSNSなどを通じ、市民の声に基づいた施策の改善につなげる取り組み(相模原版CRM)を実践している。そんな同市コールセンターのCRMシステムとして活用されているのがFastHelpだ。
今回は、導入の経緯と効果などについてお伺いした。


もくじ
  • 市民と行政をつなぐ自治体コールセンター「ちょっとおしえてコール相模原」
  • BCPに対応し、カスタマイズ性の高いことが必須条件
  • 応対履歴という「データ」を価値のある「都市経営上のヒント」へ変換
  • 市民の声を活用するためには、まずはきちんと記録すること
  • 市民満足度のさらなる向上をめざす相模原版CRM

市民と行政をつなぐ自治体コールセンター「ちょっとおしえてコール相模原」

 神奈川県北部にある政令指定都市として、県内では横浜市、川崎市についで第3位の人口規模を擁する相模原市。同市では、2006年(平成18年)、当時は例の少ない自治体コールセンター「ちょっとおしえてコール相模原」(オペレータ座席数:最大8席)を開設し、年間約10万件におよぶ電話、メール、FAXによる、施設やイベント、各種制度の案内などに関する市民からの問い合わせに対応している。2013CRMベストプラクティス賞

現在では、自治体においてもWebサイトやSNSなどによる情報発信の活用が進んでおり、相模原市も同様だ。しかしながら、老若男女すべての市民がインターネットを使いこなせるわけではなく、これだけの問い合わせが入っていることを考えれば、コールセンターは相模原市民の生活に欠かせない存在だと言っても過言ではないだろう。

一方、相模原版CRMにおけるコールセンターの役割は、単に問い合わせに対応することだけでなく、市民の声を集めるという重要な役割を担っていると山崎氏は説明する。(図1)

「コールセンターに寄せられた声は、開設当初から庁内イントラネットで公開して各担当部署が参考にして積極的に活用されていました。
たとえば、コールセンターに寄せられた問い合わせや意見を分析したことで、ゴミに関する問い合わせが多いことが分かり、ゴミ分別の情報サイトを新たに開設。その結果、担当部門への入電件数を1割以上削減することができました。また、前年度に問い合わせの多かった項目を申請書類に目立つように記載することで、関連する問い合わせ件数を前年度比8割以上削減したりと、数多くの成果を上げています」(山崎氏)


相模原版CRM
図1:相模原版CRM(市民の声活用事業の概要)

BCPに対応し、カスタマイズ性の高いことが必須条件

 同市コールセンターがFastHelpを導入したのは、コールセンターを開設した5年後の2011年、コールセンターシステム全体を刷新したときに遡る。
以前使用していたCRMシステムは、ちょっとしたカスタマイズでも都度ベンダーに依頼しなければならず少なからず不便を感じていた。また、大震災を経験したことによりBCP対策についても検討の余地があったという。

「システム全体の刷新を契機に、入力のし易さや応対履歴のCSV出力のし易さ、セキュリティの設定といった基本的な機能のほか、災害発生時の可用性やカスタマイズの容易さなどを要件に、新たなCRMシステムの選定を開始しました。そのときに、システムの構築・運営を担当していたシステムインテグレータより提案されたのがFastHelpでした」(小野里氏)

FastHelpは、コールセンターの運用に必要な機能を網羅しており、またクラウド型で導入しても特に機能制限がない上、コールセンター運用に関わる設備(ハードウェア・ソフトウェア)、システム管理の専任担当者、システム保守作業を必要としないだけでなく、BCP対策としても有効だという提案を受けたという。

FastHelpはWebツールとして使え、インターネット環境さえあれば、コールセンター以外の場所、たとえば庁内のPCからも利用できるので、災害発生時にも柔軟な対応が可能です。また、項目追加や用途に応じた条件保存が柔軟にできるなど、カスタマイズ性が高い点も選定ポイントの1つとなりました」(小野里氏)

応対履歴という「データ」を価値のある「都市経営上のヒント」へ変換

 FastHelpの導入効果の1つとして、山崎氏は「使い勝手の良さによる業務効率の向上」を挙げた。
FastHelpは直感的に操作できるので、特別な知識や経験がなくてもすぐに使いこなせるようになります。実際、私自身も異動してきてすぐに使いこなせるようになりました」(山崎氏)
実際現場でも、画面の使い易さにより、研修時間も少なくて済み、結果的に導入期間も短縮できたという。

さらに、表示項目の変更や並び替えといったカスタマイズの容易さや、同じような問い合わせに対する定型文を簡単に入力できるテンプレート機能、FAQ機能など、「オペレータの作業を効率化する仕組みが充実している」(山崎氏)と評価は高い。

一方、小野里氏は、「応対履歴情報を柔軟な切り口で検索・絞り込むことができること」を、導入効果として挙げる。(図2)

「期間や条件を指定して検索・絞り込みができるので、受電数が多かった期間の受付状況を分析したり、1年前の状況を調べて対応策を練ったり、各部署から来る情報提供の要請などにも、柔軟かつ迅速に対応できるようになりました。さらに検索画面内の項目の配置なども自由に設定できるので、頻繁に使用する項目を入力し易い位置に配置し、定型的な業務をさらに迅速に処理できるようになりました」(小野里氏)

このように、応対履歴という「データ」を価値のある「都市経営上のヒント」へと容易に変える仕組みができたことが、最も大きな導入メリットと感じているのだという。


検索画面例図2:コール検索画面例


市民の声を活用するためには、まずはきちんと記録すること

 相模原版CRMのように市民の声を記録するという考え方は、自治体でも浸透しつつあるという。
しかし、市民の声を活用するためには、正確に記録することが必要不可欠。記録して庁内に共有して改善に生かしていく、という流れが必要だと小野里氏は説明する。

「市民の声をきちんと記録するためにはCRMシステムは活用できるシステムだと思います。改善のもととなる市民の声を、統一したフォーマットできちんと分類していく。この前提の上で、問題やニーズの傾向を把握し、それに対しての対応策を打ったり改善策を講じたりできるのです」 (小野里氏)
CRMシステムを導入して、問い合わせ内容を活用した結果、入電数の削減へとつながり、その余力をほかの業務へと振り向けられるようになるなど、効果が見えてくるという。


市民満足度のさらなる向上をめざす相模原版CRM

 このように順調に成果を上げている相模原版CRMだが、コールセンターシステムの全面刷新時には、電話システムの変更などにより、少なからず混乱も見られたという。
「大きな変化の中で、システム設計の段階から操作トレーニングまで、テクマトリックスは導入・運用ベンダーを的確にサポートしてくれました」(小野里氏)

今後については、「FAQ機能を活用するなど、FastHelpをより一層使いこなすことで、さらなる業務の効率化と質の高い情報を生み出す環境を整備していきたい」と、これからも豊富な経験と実績をベースとした質の高いサポートや、FastHelpの機能充実を期待していると語った。ナナちゃん

さらに、受付業務の効率化や問い合わせの多い項目をWebサイトやFAQサイトなどで自己解決できる仕組みを充実させてきた結果、コールセンターへの入電数は減少傾向にあると説明する山崎氏。
「私たちは、市民の声を反映する仕組みづくりをしていくことが使命であり、市民の声の傾向を調査、分析し、行く行くは課題解決に向けた議論の結果を市民に公開していくことをめざしています。
その一環として、コールセンターに寄せられる市民の声を今後もきちんと記録して活用していきたいと考えています」と今後の抱負を語る。

相模原版CRMは現状に満足することなく、FastHelpを最大限に活用することで、さらなる市民満足度の向上をめざしている。

山崎様&小野里様


* 作成日時 2014年6月
* 記載の情報は作成日時点のものです


お客様情報

相模原市役所様

2010年4月、戦後に誕生した市として初めて、政令指定都市となった相模原市。人口は約70万人。首都圏南西部に位置し、交通アクセスの良さを背景に都市機能の一大集積地として発展してきた。その一方、相模川をはじめ、陣馬山、相模湖など首都圏を代表する豊かな自然も有し、多様な魅力を有する。