楽天証券株式会社様

楽天証券株式会社様

導入製品・サービス:
FastHelp
導入企業様業種:
金融・保険

神田氏
カスタマーサービス部
部長
神田 康之

コールセンターの改善がうまく進む「楽天流」KPIマネジメント

「電話がつながりにくい」、「オペレータの態度が冷たい」といった、どのコールセンターにおいても起こりうる課題。 楽天グループのインターネット証券会社である楽天証券株式会社(以下、楽天証券)では、KPI(重要目標達成指標)マネジメント手法を取り入れ、つながらないプロセスの見える化や顧客満足度の数値化により、これらの課題の改善に取り組んでいる。

もくじ
  • 市場の活性化にともない急増したコールセンターへの不満
  • 「つながらない」を改善するためのKPIによるプロセスの数値化
  • 電話応対品質を向上させるためのお客様満足度の見える化

市場の活性化にともない急増したコールセンターへの不満

日本初のオンライン専業証券としてサービスを開始した楽天証券では、日本最大級のインターネット・ショッピングモールを運営する楽天グループ傘下のネット証券会社として、日本の投資家を元気にすることを使命にグループの強みを最大限に活かしたサービスや商品を提供している。

ここ数年は、国内における政権交代などの影響から長らく低迷していた株価の変動が激化。 「電話がつながりにくい」状況が頻発するようになり、さらにキャンペーンなどを強化したことから、「オペレータの知識不足」や「態度が冷たい」といったクレームも目立ってきたという。

神田氏によれば、証券会社のコールセンターは市場の動向によって入電数が左右されるので、稼働オペレータの最適数を予測するのが難しく、ある日突然、平均的な水準の5~6、瞬間的には10倍もの入電が集中することもあるという。 また専門的な知識や幅広い商品への対応が必要となるので、優秀なオペレータを確保することも容易ではないという。

さらに現在、東京・福岡の2か所でコールセンターを運営する同社のシステムキャパシティは、すでに限界に近づいていたため、CRMシステムFastHelpの刷新にも取り組む中、「楽天流」の手法としてグループ内のさまざまな場面で利用されている「KPIマネジメント手法」を取り入れ、問題解決に取り組んだという。


「つながらない」を改善するためのKPIによるプロセスの数値化

一言で「つながらない」と言っても、単純に「話し中」になるということではない。むしろ電話がつながってからオペレータと話ができるまでのプロセスで、時間や手間がかかることで顧客はあきらめてしまい、それが「つながらない」というイメージとして定着してしまうのだ。

そのため、KPIによる見える化を実施し、自動音声応答装置(IVR)の通過にかかる時間と、その後、顧客を待たせてしまう待機時間の改善に分けて、対策を実施したという。
「IVRの課題は、その操作や分類の複雑さかが要因となっており、お待たせしてしまうプロセスは人員配置に課題があると仮説を立て、改善策を実施しました」と神田氏は説明した。
実際の改善例を見ると、まずIVRの課題に対してはコールフローをシンプル化し、その変更にあわせてスキル体系の組み替えを実施。

また、待機プロセスに関しては、かつては平均時間と最長時間のみの計測だったが、今では受けられたコールと受けられなかったコールを待機時間帯(数秒、15秒以内、1分以内、1分越え)ごとに分類し、アナウンスの改善やシフトの見直し、さらには入電状況監視強化などを実施し、その進捗を日報で管理することで、改善策を導き出す取り組みを実施しているという。

神田氏は、このようなKPIマネジメントのメリットとして、以下のようなメリットがある一方、数値化しにくい項目は対策が立てづらいことや、KPIを複雑に設定すると作業に負担となるといったデメリットも挙げた。

KPIマネージメントのメリット

KPIマネジメントのメリット

電話応対品質を向上させるためのお客様満足度の見える化

一方、電話応対の品質を上げる取り組みとして、楽天証券ではこれまでもオペレータの対応を定期的にモニタリグして応対品質を評価。その結果をオペレータにフィードバックすることで改善に取り組んできた。
しかし、これまで実施してきた「話し方」や「言葉遣い」といった対応スキル、そして「商品」や「投資」に関する知識といった評価ポイントに関するモニタリングだけでは、顧客とのギャップを埋めるのは難しいと考えるようになったという。

「顧客とのギャップとは、どれだけ優れた対応技術で、正確な情報を伝えたとしても、顧客の問題を解消できなければ満足度にはつながらないケースや、その逆に、優れた対応でなくても、結果が納得のいくものであれば高い満足度につながるケースなど、顧客の評価と社内の評価に生じるギャップのことです」(神田氏)。

そのため、神田氏は目指すマインドセットとして、たとえ顧客が抱える問題を解決できなかったとしても、「楽天証券で取引していて良かった」、「困ったことがあったら、また電話をかけてみよう」と思わせる対応を目指した評価をすべきだという考えに至ったという。

そこで、マインドを重視した「感激モニタリング」というアプローチを実践することで、これまでカバーしきれなかった顧客とのギャップを埋める取り組みを実践したという。
 その1つの試みとして、後処理(アフターコールワーク)でFastHelpに登録するコールフラグを問い合わせの結果に関するものではなく、オペレータが感じた顧客の満足度として集計するように変更した。


コールフラグの変更


さらに「感激」のフラグが付けられた「感激コール」に関しては、必ずモニタリングを行いオペレータに評価をフィードバック。さらにお手本となるコールを選出し、全体に共有するようにした。

この定期モニタリングと感激モニタリングの両方からのアプローチは、オペレータの対話技術だけでなく、相手を思いやり、理解することの重要性に気づくきっかけとなり、電話応対品質の改善へとつながりつつあるという。

このような楽天証券の改善アプローチは、これまで成果を上げることが難しかったコールセンターの課題解決に道筋を付ける手法として、今後、その動向がますます注目される。


  • * 作成日時 2015年4月
  • * 記載の情報は2015年3月時点のものです

お客様情報

楽天証券株式会社様

1999年(平成11年)3月24日設立。
日本最大級のインターネット・ショッピングモールを運営する楽天グループのインターネット証券会社。
1999年6月に日本初のオンライン専業証券としてサービスを開始し、2014年6月末現在、約170万人のお客様に選ばれ、利用されている。