コクヨ株式会社様のコールセンター(CRM・FAQ)システム導入事例

コクヨ株式会社様

導入製品・サービス:
FastHelp
導入企業様業種:
製造

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経営管理本部
お客様相談室
室長
横山 泰子

やってみて分かった顧客満足度とNPSの違い
~お客様相談室がNPSをKPIにした理由~

文房具やオフィス家具などの問い合わせを受け付けているコクヨ株式会社(以下、コクヨ)の「お客様相談室」では、「コクヨのファンを増やす」および「事業活動に貢献する」というミッションを具現化するため、2016年より、顧客満足度調査にNPS®(Net Promoter Score)(以下、NPS)※1を導入。NPSの結果から、従来の顧客満足度調査では気付けなかった事業成長につなげるための課題を見いだし、現在改善活動に取り組んでいる。



もくじ
  • 年間約10万件の問い合わせに対応するコクヨの「お客様相談室」
  • 事業成長につなげるための取り組みとしてNPSを導入
  • NPSのトライアル導入で分かった顧客ロイヤリティと顧客満足度との相関性
  • NPS調査を実施して分かった3つのポイント

年間約10万件の問い合わせに対応するコクヨの「お客様相談室」

創業1905年。コクヨグループは現在、文具、事務用品を製造・販売する「ステーショナリー関連事業」と、オフィス家具、公共家具の製造・販売、オフィス空間構築などを行う「ファニチャー関連事業」、オフィス用品の通販とインテリア・生活雑貨の販売を行う「通販・小売関連事業」を展開している。

コクヨグループの「お客様相談室」は、ステーショナリー事業とファニチャー事業に関する消費者からの問い合わせを受け付けるコクヨグループ共通の相談窓口として運営されている。お客様相談室における年間の問い合わせ件数は、2016年度実績で約10万件、問い合わせ内容の内訳は、50.6%がステーショナリー、42%がファニチャーに関する問い合わせである。お客様からの問い合わせを登録・管理するシステムとして導入されているのが「FastHelp」である。



事業成長につなげるための取り組みとしてNPSを導入

お客様相談室では、「コクヨのファンを増やす」・「事業活動に貢献する」という2つのミッションに取り組んでいる。

実現方法の軸として、次の2つを意識している。
1点目、コクヨファンの増加に貢献するためには、お客様からいただく問い合わせに対して、お客様相談室が1対1の関係できちんと対応し、お客様のロイヤリティを醸成させることで、事業に貢献すること。たとえお客様が問い合わせになるきっかけが商品に対するご不満だったとしても、そのネガティブな体験を超える対応で、顧客ロイヤリティの醸成は可能だと考える。
2点目は、お客様対応の中で得られたお客様の問い合わせ内容やその背景などを、事実として捉え分析し、そこから得られた情報を様々な形で社内で活かすこと。例えば、お客様からのお声をVOCとして商品開発に活かすだけでなく、お客様相談室での応対の改善や、部門間の業務フローの改善など、あらゆる分野でお客様視点を取り入れることである。
「事業に貢献するにはこの2つの活動を常に意識し、サイクルをしっかり回すことが重要だと思います。」とお客様相談室 室長の横山氏は話す。(図1)

コクヨお客様相談室は、「どこよりも選ばれる相談室になる」「誰よりも消費者を理解する」という、お客様相談室の今後のあるべき姿を目指し、改善活動への取り組みを開始した。

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■図1:コクヨお客様相談室の活動


そのような中で、従来の顧客満足度調査とは異なる、事業成長につなげるための取り組みとして導入したのがNPSという指標だった。



NPSのトライアル導入で分かった顧客ロイヤリティと顧客満足度との相関性

まずは身の丈を知るためにも、2015年にお客様相談室では、数年に1回実施していたお客様満足度調査にNPSの設問をトライアルで加えてみた。

横山氏は、「当初NPSの導入に確信的なねらいがあったわけではなく、何ができるのかトライアルとして導入しました」と当時の様子を振り返る。結果は、お客様相談室のNPSが「-21」という、お客様満足度92%(スコア4.6/5点満点中)のハイスコアからは想像しがたい結果が出た。そこで、従来の顧客満足度調査とNPS調査の内容を比較し分析した結果、顧客満足度が高い事項でもNPSの値は低い回答があり、NPSの評価は、「聞く」「話す」「速さ」といった、顧客満足度を向上させる上で気を付けている応対品質とは相関関係が低いということがわかったという。

また、NPSのスコアとFastHelpに記録している問合せ内容のカテゴリをクロス集計してみると、概ねどのカテゴリでもスコアはマイナスであった中、プラスのスコアを残したカテゴリが唯一あり、それは「合鍵注文」に関するカテゴリだったという。

「この結果には思い当たる節がありました。調査の直前に、合鍵に関する申し込みフローを改善していたからです」と横山氏は説明。これにより、これまでの顧

客満足度調査では見えなかったものが、NPS調査によって見えるようになる、と確信できたという。



NPS調査を実施して分かった3つのポイント

では、顧客ロイヤリティを測るNPSを向上させるためにはどうしたら良いのか?

NPSを向上させる影響因子を見つけ、改善施策へとつなげられる要素を確認するために、翌年2016年には、設問や調査方法を追加・変更し、再度NPSの設問を加えた顧客満足度調査を実施した。その結果、スコアは前回同様「-21」であった。横山氏はこの結果を受けて、NPSに対する信頼度をさらに深めたという。

「NPSのスコアが改善されるような取り組みは何もしていなかったので、この結果は納得ができました」と語る。また、結果を分析すると、お客様満足度がNPSに与える影響はわずか26%しかないことが分かった(図2)。今回のNPS調査で、顧客満足度調査では計り知ることができない、次のような様々な発見があったという。

  • お客様からのメールでの問い合わせに対して電話で応対した場合のNPSが高い。
  • 顧客の声を「商品開発」に活かすべきだというコメントが目立った。
  • お客様相談室以降の対応(他部門の対応)に関する課題も発見できた。
  • Webチャネルによるナレッジの公開を求める声が強い。


  • 今回実施した2回のNPS調査結果から分かったこととして、横山氏は次の3つのポイントを挙げた。

      1. 顧客満足度は、顧客対応の指標でしかない。(顧客ロイヤリティへの影響度26%)
      2. 従来の顧客満足度では計り知ることができなかった、お客様がコクヨに対して改善を求めていること、期待していることが(顧客ロイヤリティへの影響度74%)、NPS調査を行うことで発見できた。これらの気付きに対して、改善活動を評価するのがNPSである。
      3. コクヨお客様相談室は、単なる問い合わせ窓口ではなく、事業活動において顧客視点で商品やプロセスを改善していくことが期待されている。

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    ■図2:NPSが与える影響度の内訳

    お客様相談室では、今後NPSを指標として、さらなるコンタクトセンター全体の生産性や品質向上に取り組んでいくという。


    ※1
    NPS®とは、「あなたはこの企業(製品/サービス/ブランド)を友人や同僚に薦める可能性はどのくらいありますか?」というシンプルな質問に対して0~10のスケールを設定して答えてもらい、推奨者(回答9と10)の割合から批判者(回答0~6)の割合を引くことで算出される数値のこと。顧客ロイヤリティを図る指標として、近年注目されており、NPSと事業成長とは高い相関関係があり、NPS向上に継続的に取り組むことが事業成長につながると言われている。




    • * 作成日時 2017年7月
    • * 記載の情報は2017年2月時点のものです

    お客様情報

    コクヨ株式会社様

    設立:1905年(明治38年)10月
    事業内容:文房具の製造・仕入れ・販売、オフィス家具の製造・仕入れ・販売、空間デザイン・コンサルテーション、小売業への店舗什器の販売など